2026年:物理メディアの終焉か?

2026年もすでにかなり月日が流れたが、ここまでのところ、互いに関連する二つの発表が大きな話題となっている。ソニーが物理メディアからの撤退を表明し、ロックスターが『GTA VI』をダウンロード版のみで販売すると発表したのだ。どちらもさまざまな議論を呼んではいるものの、結局のところ、驚くような話ではない。これは革命などではなく、私たちゲーム界隈では、多かれ少なかれ不安を抱きながらも予想していた変化であり、ソニーとマイクロソフトという大手ゲーム機メーカーが数十年前に物理メディアに対して仕掛けた戦いの、ついに訪れた決着でもある。だが、この変化の理由や影響を考える前に、物理メディアの敗北という形で幕を閉じるこの戦いの歴史を、簡単に振り返っておこう…

物理メディア離れが進んだ20年

物理メディアをなくすという発想は、今に始まったものではない。1980年代にはすでに、物理メディアがゲーム業界の企業に難題を突きつけていた。物流上の問題から、任天堂が『レーダースコープ』用に用意したアーケード筐体向けに『ドンキーコング』を開発し、結果的に大成功を収めた話1や、Atari 2600用ソフト『E.T.』のカートリッジ72万8,000本がニューメキシコ州に埋められた話2を覚えている方もいるだろう(若い方にはなじみがないかもしれないが)! そして、独自規格の、しかも保護されたカートリッジから得られるロイヤリティも忘れてはならない。任天堂に巨額の富をもたらしたこの仕組みは、初代PlayStationの時代にソニーも手本にすることになる。それでも、初期のデジタル配信の試みは、業界関係者から飛びつくべき好機と受け止められたわけではまったくなかった。とりわけ、任天堂が日本限定のディスクシステムで提案したビジネスモデル――店頭で書き換え可能なディスクにゲームを書き込み、同じゲームのカートリッジ版よりはるかに安く提供する仕組み――は、サードパーティーの多くに拒まれた。彼らにとっては、単純に採算が合わなかったのだ。しかし、ゲーム機の世界が物理メディアにしがみつく一方で、PCの世界はデジタル配信にもっと寛容だった。1990年代末には珍しくなくなり、2000年代初頭にはSteamの発展とともに至るところに広まり、2010年代に入るとゲーム以外のソフトウェアでも主流となった(その筆頭がWindowsで、2012年のWindows 8から全面的なデジタル化を推し進めている)。

とはいえ、2000年代初頭からエンターテインメント業界が、いつかゲームは完全にデジタル化すると見越していた、などと思ってはいけない。業界の大手は、当初どこもSteamの成功を信じていなかったのだ3! だが、そのプラットフォームも今や始動から約20年、しかも見事に軌道に乗り、わずか数年でPCゲームのパッケージ版を完全に消し去ることになった…

ならば、家庭用ゲームのデジタル化を持ち込んだのがPC業界からの参入者、その名もマイクロソフトだったとしても、不思議はない。初代Xboxで、ビル・ゲイツ率いる同社はゲーム機とPCの境界を取り払おうとした。あの大きな黒い箱は、ハードディスクを内蔵した初のゲーム機となり(つまり、すでに2001年のことだ)、おなじみのXBLA(Xbox Live Arcade)は、ゲーム機向けにダウンロード専用ゲームを提供する初のプラットフォームとなった(これがゲーム業界におけるインディーシーンの始まりであり、物理流通に伴う物流上の制約から解放されたことで、その発展が可能になった)。マイクロソフトやその製品が好きかどうかはともかく、家庭用ゲームの進化に同社が大きな影響を与えたことは否定できない4。2009年には「ゲーム オン デマンド」サービスを通じて、『Halo 3』をはじめ、それまで主にパッケージ版で流通していた大型タイトルのダウンロード販売を開始する。一つの節目を越えたわけだが、ソニーも2006年にはPlayStation Storeでマイクロソフトに追随していた。

2009年はまた、ソニーがPSP goで物理メディアからの脱却を試みた年でもある。PlayStation Portableは、独自の記録メディアであるUMDとともに任天堂のニンテンドーDSに善戦しており、勢いづいたソニーは完全デジタル版の本体を送り出した。だが、これは大失敗に終わる。すでに持っているゲームをダウンロード版で買い直さなければならないことに怒るプレイヤーと、客足を自分たちの店から遠ざける製品の販売に二の足を踏む小売店。その板挟みとなったPSP goは不発に終わり、2年もたたないうちに、惜しまれることもなく姿を消した5。このつまずきも、ソニーにはさほどこたえなかったようで、同社のアンドリュー・ハウス社長は早くも2015年に、全面的なデジタル移行を目指す方針を表明している6。

ここから先は、ほとんど現在の話だ。マイクロソフトは2017年にXbox Game Passでゲームの定額制サービスを開始し、2020年にはUltimateプランでストリーミングにも進出した。一方のソニーは、まったく逆の道をたどる。2014年にPlayStation Nowでストリーミングを始め、2018年にはダウンロード対応のゲーム定額制サービスへと進み、現在のPlayStation Plusへと至った。そして両社は、第9世代、つまり現行世代のゲーム機で、結局同じ地点にたどり着いた。PlayStation 5にもXbox Seriesにも、ディスクドライブを備えた「従来型」と、ドライブを省いたぶん安価な「デジタル版」が用意されている。デジタル化を目指す20年にわたる戦い――見方によっては、物理メディアに対する戦い――の、当然の帰結というわけだ!

2026年:転換点となる年

こうして、われわれはおなじみの2026年にたどり着いたわけだ… だが意外にも、デジタル化について最初に口火を切ったのはソニーでもマイクロソフトでもなく、業界のもう一つの巨人だった。2026年6月24日、ロックスター・ゲームスは『GTA VI』をダウンロード版のみで発売し、店頭で販売するパッケージにもダウンロードコードしか入れないと発表して、世間の不意を突いた7! これはまったく予想外のニュースだった。ここ数か月、話題になっていたのはゲームの価格であって、販売形態ではなかったからだ。だが、その一撃で立ったまま気絶しかけたところに、息をつく暇もなくソニーが追い打ちをかける。2026年7月1日、同社は製造を独占しているPlayStation向けゲームディスクの生産を、2028年1月に終了すると発表した8! PS6にディスクドライブが搭載されるかどうかは何年も前から取り沙汰されていたため、完全に寝耳に水というわけではない。とはいえ、そのあまりにきっぱりとした、後戻りの余地のない発表は驚きを呼んだ。さらに意外だったのは、2026年8月26日にマイクロソフトが発表した「Disc-to-Digital」プログラムだろう。手持ちのゲームディスクをデジタルライセンスに変換できるというものだ9… もっとも、その驚きも長くは続かなかった。2026年10月にはXbox部門の新トップ、アシャ・シャルマが、ゲーム事業の将来に向けたマイクロソフトの構想を明らかにしたからだ。単一のゲーム機ではなく、Xbox、PC、さらには携帯型Xboxまで、さまざまな機器を相互に連携させるXboxエコシステムを目指すという10。正直なところ、この米国企業からは、もう何年も聞かされている「いつか実現する未来」ではある!

ゲーム業界の各社がこうした動きに出る理由はさまざまで、これから見ていくように、単に悪の資本家が暴走しているという話ではない。だが、今回こそ移行が決定的になったように見えるのは、結局のところ、プレイヤーの圧倒的多数――この老いぼれボブは含まれないが――が、企業にとって唯一意味のある投票用紙、つまり財布で、デジタル化に一票を投じたからだ! ゲーム機メーカー3社のオンラインストアが登場したのは2005年ごろだが、市場の逆転が起きるのは2018年になってからだ。初めてデジタル版が過半数を占め、売上の54%に達した11。ほかの分野と同じく、ここにもコロナ前とコロナ後の断絶がある。2020年には、パッケージ版とデジタル版の比率が18対82になったのだ12… では、今はどうか? フランスは多少踏ん張っており、2025年でも家庭用ゲームの42%がパッケージ版だった――つまり58%はすでにデジタル版ということだが――ものの、欧州と米国ではゲーム市場の収益の90%をデジタルが占めており、もはや勝負はついている13

この状況を嘆くことはできる――私もそうだ――し、何がどう問題なのか延々と論じることもできる――それはこれから!――だが、繰り返すように、この移行を可能にしたのはプレイヤー自身なのだ。だから今さら文句を言うには少々遅いし、欧州の「Stop Destroying Videogames」という署名運動のような取り組みも、実際に役立つには、あまりにも遅すぎるし、見通しが甘すぎる。欧州委員会も公式回答で、外交的な言い回しながら、そのことを指摘している14。それでも私は署名した。ローションなしでケツを掘られたからといって、喜んでやる義理はないからだ。もっとも、期待はしていない… となれば、残るは総括だけだ。まず、なぜゲーム業界の各社がこれほどデジタル化にこだわるのかを理解すること。次に、なぜ「デジタル化は悪」©なのかを改めて確認すること。そして最後に、正直なところ、それでも世界の終わりというほどの話ではないと認めることである!

ゲームのデジタル化:支配権をめぐる問題

収益のコントロール

認めようと認めまいと、歴史を動かすのは金だ。人間社会で起こるあらゆる出来事は、金銭的な観点から分析し、理解することができる。もちろん、ほかの要素が補足的な説明を加えることはあるにせよ。今回の話題について言えば、ゲーム業界の企業を動かしているのは、何よりも金銭的な動機である。簡単に言えば、デジタル化によって、パブリッシャーは利益率を高め、価格をコントロールできるのだ。

利益率を引き上げるためのコントロール

フランスのゲーム業界情報サイトAFJV(Agence Française des Jeux Vidéo)のこちら15とこちら16に掲載された情報を、一般的な消費財流通に関する情報と照らし合わせると、パブリッシャーの取り分は、デジタル版ではパッケージ版より5割近く多いことがわかる(税抜価格の47%に対して69%、つまり利益率は1.46倍)! 具体的には、デジタル版を100万本販売した場合と同じ金額を得るには、パッケージ版を146万5,714本売らなければならない。以下の小さな表は、フランスで税込80ユーロ(付加価値税20%)で販売されるゲームを例に、その計算の内訳を示したものだ。

受取先パッケージ版デジタル版
国(フランスの付加価値税は20%)13.33ユーロ13.33ユーロ
店舗/プラットフォーム20~24ユーロ(Fnac、Micromania、Leclercといったフランスの小売店の粗利益)20ユーロ(ソニーのPlayStation、マイクロソフト、Steamが徴収する税抜価格の30%という定率手数料。Epic Games Storeに至っては、わずか12%)
ゲーム機メーカー(ロイヤリティ)8~10ユーロ(ディスク製造の権利を得るためにソニー/任天堂に支払う料金)プラットフォームの手数料30%に含まれる
物流・製造3~5ユーロ(Blu-rayのプレス、プラスチック、輸送、保管)約0.50ユーロ(ネットワークインフラとダウンロード用サーバーの費用。しかも、多くの場合はオンラインストア側が負担する)
パブリッシャー・開発スタジオ28~35ユーロ(純収入)46~46.50ユーロ(純収入)

これ以上、理由を探す必要はあまりないと思う… そもそも、業界各社も隠してはいない。カプコン17は、デジタル化が業績回復の中核にあると説明しているし、格付け会社フィッチ・レーティングスによれば、エレクトロニック・アーツ18も同様だ。ユービーアイソフト19は10年近く前からその恩恵を誇っていたし、テイクツー20も挙げられる。同社では、デジタル関連、主にDLCとゲーム内通貨が四半期業績の中核を担っている…

だからといって、私たちプレイヤー、いや、ゲーム業界にとっては何よりも「消費者」である私たちが、平均価格の値下げという形でこの潤沢な収益の恩恵を受けられる、などと思ってはいけない。業界は開発費の爆発的な増加に直面している(2019年比で2倍、2015年比では5倍〈!〉)。2022年以降、業界で相次ぐ大量解雇21は、無理のないビジネスモデルを見いだすことがいかに難しいかを、悲しい形で思い知らせてくれる。市場は拡大を続けている22ものの、そのペースは落ち、成長はモバイルと一握りの巨大タイトル23に集中している。『CoD』や『GTA』を思い浮かべてほしい。要するに、人気の頂点に立つか、死ぬかだ。さらに、市場収益の78%が、完全にデジタル化したプラットフォームであるPCと、最初からデジタルだったスマートフォンから生まれていること、そして今や米国市場を上回る中国市場が急成長しており、そこで遊んでいるのは物理メディアのゲームをほとんど経験していないプレイヤーたちであることを考えれば、もはや戦いようがないという点には、ご同意いただけるだろう!

こうした状況では、最近突破した80ユーロという価格水準が、近いうちに下がるとは思えない。一番の人気を得るには、一番派手でなければならず、そのためには莫大な開発予算が必要になる。一番人目に触れる存在にもならなければならず、そのためにはさらに莫大な宣伝予算が必要になる。そして、いかなる炎上も避けなければならず、そのためには自社のイメージをいっそう厳しく管理する必要がある。都合のいいことに、後で見るように、デジタル化はそれを可能にしてくれる。だが、順を追っていこう。デジタル化が可能にするのは、利益率の改善だけではない。販売価格のコントロールも可能にするのだ!

販売価格の管理
もうすぐハロウィン:これがゲーム業界の悪夢だ!

メーカーにとって、販売価格の設定は極めて重要な問題だ。だが、その価格を維持することも同じくらい、ひょっとするとそれ以上に重要である。消費者には、買う商品に提示された価格だけの価値があると納得してもらわなければならない。そのためには、同等の商品がもっと安く見つからないようにすることが不可欠だ――あるいは、ブランドの名前が付いているというだけで高いほうを買ってくれるほど、消費者がおめでたいことを当てにするか! ゲーム業界では、パブリッシャーにとって昔から二つの敵がいる。中古市場と投げ売りだ。

中古についていえば、この市場を潰そうとする業界の取り組みは今に始まったことではない。私もすでに15年前、この問題について記事を書いている24。パブリッシャーの理屈は単純だ。新品のゲームが売れたときにしか収益は得られないのだから、そのゲームが2回、3回、4回と転売されれば、その回数分だけ売上を逃したことになる。ならば、最初の購入者のあとに別の2人がそのゲームを使えないようにすれば、あと2本売れるはずだ、というわけだ。しかし、この理屈には大きな落とし穴がある。中古で買うプレイヤーは、単にそのゲームには定価ほどの価値がないと思っているのかもしれないし、新品を買うお金がないのかもしれない。だとすれば、販売側は実際には売上を一つも失っていないことになる。意地悪な見方をすれば、ゲームを売るプレイヤーだって、その売却代金が入らなければ、あれほど新品を買わないのではないか。つまり、中古市場は新品市場を活性化させていることになる!

もちろん、業界の企業はこの最後の二つの主張には耳を貸さず、何年も前から中古市場を消そうとしてきた。2009年のElectronic Artsの「オンラインパス」、「初回版」に付く「ボーナス」コンテンツ、2013年にMicrosoftがXbox Oneで計画した、ディスクを一つのユーザーアカウントに永久にひも付ける仕組み(のちに撤回)、2026年のSonyによるゲーム認証にインターネット接続を必須とするDRM……。これらには共通点がある。特典を付けたり、中古ゲームを使いにくくしたりして新品の購入を促す一方で、中古の利用そのものを直接禁止しようとはしていないのだ。技術的には可能なのに。いったいなぜだろう?

その理由はというと、まっとうな多国籍企業をいじめてばかりいる、あのにっくき消費者法のせいなのだ! 具体的には、プレイヤー/消費者が購入したゲームを再販売する権利を保障する「権利消尽の原則」25である。したがって、中古で買った、あるいは無償で借りたパッケージ版ゲームを利用できなくすることは、端的にいって違法だ。ただし、この原則が適用されるのは物理的なモノである。欧州連合司法裁判所は2019年の判決(Tom Kabinet判決26)で、権利消尽はデジタル配信された著作物には適用されず、したがってデジタル著作物を中古として再販売することはできないと判断した。この事件で対象となったのは電子書籍だった。フランスでも2024年、消費者団体UFC-Que ChoisirとValveの争いで、破毀院がこの立場を確認している27。つまり、今や状況は明白だ。パブリッシャーは中古で転売されたパッケージ版ゲームの利用を妨げることはできないが、ダウンロード版ゲームを最初の購入者以外が使うことは、完全に合法的に阻止できる。そして2024年といえば、Ubisoftでサブスクリプション事業を統括するPhilippe Tremblayが、プレイヤーはゲームを所有しないことに慣れていく、と発言した年でもある28……。

つまり、デジタル化によって中古市場の息の根を止められるわけだ。もちろん、すべてはプレイヤーの利益のために! しかも、一粒で二度おいしい。デジタル化は、小売店が在庫を好き勝手に扱うことも防いでくれる。なかでも、とりわけ重要なのが投げ売りだ! 店頭価格は、パブリッシャーと小売店との激しい交渉によって決まる。フランスでは原則として、小売店が仕入れ値を下回る価格で販売することは認められていない。それでも、自分の利益幅を削ることはできる。売れ行きの悪いゲームを処分するためだったり、大型スーパーでよくあるように、客寄せ商品にするためだったりする。フランスの大手スーパー、ルクレールがゲームを格安で売っていたとして――たとえば『GTA VI』を80ユーロではなく60ユーロで売っていたとして――それは親切心からではない。店はそれで客を呼び込み、本当に売りたいものもついでに買ってもらおうとしているのだ。トイレットペーパーやケース入りの水を! 理屈のうえでは、パブリッシャーが受け取る卸値は変わらないので影響はない。しかし実際には、消費者の頭に「『GTA VI』の新品は60ユーロで買える。ということは、80ユーロで買ったら損をする!」という考えを植え付けることになる。その考えが頭の中で繰り返されれば、やがて立ち止まって考えるかもしれない。そして、ひょっとしたら、ゲーム1本に80ユーロ――フランスの法定最低賃金で丸1日ちょっと働いた分――は高すぎる、と気付くかもしれない。そいつは商売によろしくない!

もちろん、パブリッシャーは小売店から広告枠や売り場のエンド棚での陳列スペースを買い、「買収」して聞き分けよくさせようとすることもできる。販売奨励金などのバックマージンをいじったり、卸値を引き上げたりして圧力をかけることもできる。だが、これにはリスクがある。相手が大手ならなおさらだ。近所の小さなゲーム店と揉めるくらいなら構わない――そもそも、その店には逆らう余裕などなく、言われたとおりにするしかないのだから。だが、ルクレールやカルフールのような大手スーパーと揉めるのは、もっと厄介だ。パッケージ版ゲームの半分以上は食品を扱う大型スーパーで販売されており、パブリッシャーはそれらを抜きにはやっていけない。一方、そのスーパーにとってゲームは、先ほど見たとおり、数ある客寄せ商品の一つにすぎない。この対決では、もはやパブリッシャーのほうが有利とはいえないのだ……。

しかも、ここまでの話には、売れ残ったゲームを合法的に仕入れ値以下で処分できる、フランスの法定セール期間「ソルド」のことが含まれていない。事情を知っていて待つことのできるプレイヤー/消費者なら、神聖不可侵の「購買行動」をセールまで先延ばしにすることもできる。そして、やがてゲームを定価では一切買わなくなるかもしれない! そいつは商売によろしくない……。

ここでまたもや、デジタル化が救世主として登場する。パッケージがなければ在庫もない。在庫がなければ、在庫処分セールもない!(Steamなどの「セール」は、フランス法上は単なる販促キャンペーンであり、「ソルド」という呼び名を不適切に使っているにすぎない。)しかも、パブリッシャー自身が販売価格を決め、流通も掌握している――Steamのような外部ストアを経由する場合でさえ――ので、価格を望みどおりの水準に維持できる。売上の一定割合を手数料として受け取るオンラインストアにも、値下げするうまみはない。小売店と交渉する必要も、聞き分けよくしてもらうために金を使う必要も、もうないのだ……。デジタル化は、販売側の利益率を高めるだけでなく、販売価格を細かくコントロールすることも可能にする。つまり、この問題は何よりもまず金の問題なのだ。しかし同時に、消費者に何をどう伝えるかという問題でもある!

情報発信のコントロール

ちょうどいいことに、ゲームのデジタル化が可能にする最後のコントロールこそ、イメージのコントロールだ。この点で、『サイバーパンク2077』『Fallout 76』『アサシン クリード ユニティ』に共通するものは何だろうか(例を挙げればまだまだある……)? この3作はどれも、バグだらけの状態で発売された。笑えるものもあれば、まともに遊べなくなるものもあり(Sonyは『サイバーパンク2077』の販売停止と返金にまで踏み切った!)、各IPのイメージには長く傷が残った(IPとは知的財産のこと。偉そうにしたがる人たち、もといマーケティング業界で働く人たちが、シリーズを指して使う呼び名だ)。動画があっという間に拡散される時代に、これはみっともない。しかも、そのバグは開発者の能力不足というより発売を急いだことが原因で、1、2回のアップデートで直ってしまったのだから、なおさらだ。そして、この発売の慌ただしさにはパッケージ版も一役買っている。ゲーム開発の最終段階は、本来なら最後の品質チェックと緊急修正に充てられる。ところがパッケージ版を出す場合、純粋に製造・流通の都合で、その期間が1~2か月削られてしまう。開発元はゲームの「最終」バージョンをプラットフォームメーカー(Sony、Microsoft、Nintendo)に送り、メーカーは技術面やセキュリティ面のチェックを行ってから認証し、発売を許可する。こうして「ゴールド」と呼ばれるバージョンがディスクに書き込まれ、量産の原本になる。業界でいう「ゴールドマスター」だ29。

この段階を終えても、まだディスクをプレスし、パッケージに入れ、それを段ボール箱に詰め、箱をトラックに積み、販売店まで運び、ようやく店頭に並べてもらわなければならない。一つひとつは小さな工程でも時間はかかるし、営業担当が大好きな、あの「発売時期」に間に合わせるためには、十分な余裕を持って済ませる必要がある! 遅れることをもはや芸術の域にまで高めた業界なのだから、出荷されたゲームに重大な不具合が残っていても不思議ではない。しかも、その不具合は製造・流通の工程中にも社内で続けられているテストですでに見つかっていて、ここ10年あまりですっかりおなじみになった「デイワンパッチ」30で修正されることも多いのだ。

結局、プレイヤーはそうしたバグでそれほど困らずに済む。だが、わざとらしい感情表現や中身のない大騒ぎ、バズを商売にするSNSとインフルエンサーの時代では、見つかったバグは何であれ、誹謗中傷とデマ拡散の材料にされる。しかも、有名でクリック数や再生数、「いいね」を稼げるシリーズほど、その騒ぎは大きくなる! すぐに直ったわずかなバグのせいで、パブリッシャーのブランドイメージは泥まみれにされる。その目的はといえば、もう20年近くネットを腐らせてきた、才能もないお調子者たちの預金残高を増やすことだ! ところが、パッケージ版がなければ、「デイワンパッチ」の修正内容を配信するゲームそのものに直接組み込める。発売後にバグが見つかった場合も、「証拠隠滅」が可能だ。ディスクに入ったゲームには、発売から何年たってもそのバグが残る。アップデートを必須にしない限り――オフラインゲームでは法的な問題があり、これが非常に難しい――バグを目にすることも、再現することもできる。一方、ダウンロードするファイルを書き換えてしまえば、同じバグにはもうアクセスできなくなる。

バグに当てはまることは、炎上にも当てはまる! 古くからのプレイヤーなら、『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』に入っていた性行為のミニゲーム「ホットコーヒー」31を覚えているかもしれない。発売前に無効化されていたが、MOD制作者に発見され、公にされたものだ。ダウンロード版であれば、隠しファイルを削除するだけで法的リスクを回避できたはずだが、何百万もの家庭にディスクが散らばっている状況では、そんなことはできなかった! あるいは、『JUDGE EYES:死神の遺言』(海外名『Judgment』)で声とモデルを担当した俳優、ピエール瀧の不祥事もある。収録やモデル制作の合間に、鼻から白い粉をたしなむ癖があったというわけだ。SEGAは、世間が別の何かに怒り始めるまでの間、その俳優の痕跡をすべて消すため、急きょキャラクターのモデルを作り直し、音声を録り直さなければならなかった。金も時間もかかるこの作業は、すでにゲームが流通していた日本では、さらに厄介なものになった。在庫を回収して処分する必要があり――当然、費用がかかる――その一方で、ピエール瀧版のソフトは、彼が作品に参加した証拠として今も普通に出回っている。SEGAにとっては、どちらも願い下げの厄介事だった!

最後に、パブリッシャーが長年対処してきた、情報発信の完全なコントロールを阻む最後の障害がある。ゲームジャーナリズムだ。従来は、完成版に近いものもそうでないものも含め、ゲームの現物が記者に送られ、記者はそれをプレイして意見と、あの神聖なる評価点を出していた。もちろん、批評家が容赦せず、酷評を書くリスクはある。発売時には修正されているバグが、酷評の理由の一部になることさえある。これに対抗するため、さまざまな手法が導入された。秘密保持契約によるレビュー解禁日の設定(ゲームを受け取る条件として、記者は指定日まで――時には発売後まで!――レビューを公開せず、特定の情報も明かさないと約束する)、先行アクセス、予約特典……。いずれも、パッケージ版が外に出回っていなければ管理しやすい。何日か前にディスクが届くのではなく、解禁日の朝にダウンロードキーだけが届くのなら、記者は約束の日より前にレビューを公開できない。おまけに、やっつけ仕事のレビューになることまで保証できる! 実際、今では多くの大作が「レビュー・スプーフィング」や「バーティカルスライス」といった手法を使っている。急いで評価しなければならないレビュアーを感心させるため、序盤だけをやたらと作り込むのだ32。レビュアーはそれにだまされ、ずっと地味なその後の展開を覆い隠す第一印象だけで評価してしまうことがある。そして、何より都合がいいのは? 同じ手がプレイヤーにも通じることだ。こちらには別の名前がある。「最初の2時間症候群」だ! なぜ2時間なのか? Steamでは、それを超えてプレイすると返金してもらえなくなるからだ33。デジタル版の売買を確定させるには――前半をきちんと読んでいればお分かりのとおり、安値で中古市場に戻ってくることもない!――プレイヤーの興味を2時間つなぎ止めればいい。だから、ここ数年の大型タイトルの一部――『The Invincible』『スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ』『スター・ウォーズ 無法者たち』など――が、実質的にはド派手なプロローグのあとに退屈で単調なゲームが続くだけでも、不思議ではない。2時間のゲームで80ユーロなら、十分おいしい話なのだ(開発元にとっては!)。

カーボンフットプリントの管理

さて、白状すると、この小見出しはちょっとこじつけだ。本当は「グリーンウォッシング」34にすべきだったのだが、ここまで続けてきた「コントロール」シリーズを途切れさせたくなかったのだ :p

いや、だってお察しのとおり、ゲーム業界の大手――というか、多国籍企業全般――にとって、カーボンフットプリントだの途上国の環境汚染だのなんて、心底どうでもいい話なのだから……。とはいえ、この問題を気にかけていると言えばブランドイメージはよくなるし、純粋に金勘定だけで下した決定にも、環境に配慮した風味を添えられる。先陣を切ったのはフランス企業――しかもブルターニュ出身とは、あの野郎!――そう、Ubisoftだ。2010年、木を守るためとして、ゲームのパッケージに説明書を入れるのをやめると発表した35。「Go Green」と大仰に名付けられた取り組みで、今では環境便乗型の合言葉が「Play Green」になっている! 何百万部もの印刷を省き、パッケージを軽くして輸送費も削減できるという見込みは、この判断とは一切、まったく、これっぽっちも関係なかったに違いない。一方、多くの報告書が指摘するとおり、デジタル化にも環境負荷はある。問題の場所が移っただけなのだ36。

ともあれ、これで道は開かれた。業界各社は地球の未来を気にかけていると表明し37、パッケージ版のほうがダウンロード版より環境を汚染することを示す研究に資金を出す38。一時期、宣伝で流行した言い方を借りれば、「プラスチックゼロ、輸送ゼロ」だ。もちろん現実はもっと複雑で、デジタル化も環境を汚染する39。あとは、どちらがより汚染するかという話なのだが……。まあ、「ウォーク」と呼ばれる行き過ぎた社会正義の罠にちょっと足を取られ40、しかも先に触れたように、この4年間、従業員に対して実に胸くその悪い仕打ちを続けてきた業界にとって、多少のイメージアップ宣伝は悪くないだろう。失業者たちは、思想的な検閲を受けたゲームで遊べる。しかも、少なくとも木々に囲まれてプレイできるのだ(屋根のある場所に住む金がなくなると、そういうことになる!)。

ボブはひねくれた反動主義者のろくでなしだ。確かに。だが、それだけじゃない! もちろん、この裏には金銭的な動機がある。そして、その大部分は一般の人には見えていない。売れ残り在庫のリサイクルを義務付ける法律が、次々に増えているのだ。フランスではAGEC法41がそれに当たり、2020年以降、売れ残った非食品製品の廃棄を禁止している。かつて当たり前だったように、投げ売りを防ぐために在庫を焼却したり、ゲームカートリッジを砂漠に埋めたりする時代は終わった。今では、寄付や、フランスの在庫処分チェーンNozのような業者への転売によって製品を活用するか――これは先ほどの価格コントロールに真っ向から反する――近所の焼却施設よりはるかに高い料金を取るリサイクルルートに回さなければならない……。つまり、売れ残り在庫はもはや価格コントロール上のリスクにとどまらず、大きな金銭的負担にもなっている。そして、こうした規制は今やあちこちに見られる。EUのESPR規則(それに合わせ、ドイツのKreislaufwirtschaftsgesetzなど、各国の法令も整備される。この法律を挙げたのは、この長ったらしい合成語を使いたかっただけだ!)、米国の州ごとの法律(たとえばニューヨーク州のFashion Act)、さらには中国の循環経済に関する法律まで。こうした新しい規制が、パッケージ版ゲームの棺に最後の釘を打ち込んでいる。だが結局のところ、我々ゲーム好きにとって、それはそんなに大変なことなのだろうか?

ゲームのデジタル化に伴うリスク

消費者の権利に対するリスク

これは重要な問題だが、答えは驚くほど単純で、法的にも明確だ。消費者はダウンロード版ゲームを所有していない。以上。ダウンロード版ゲームを買うということは、実際にはライセンスを買うということなのだ42。ライセンスには、その性質上、利用条件が付く。主な条件は、利用者の権利がエンドユーザー使用許諾契約(EULA、新しいゲームを起動するときに、読まずに同意しているアレ)に定められた範囲に限られること、そしてライセンスが終了し得ることだ。一定期間が過ぎれば終了する場合もあれば、もっとよくあるのは、所定の条件が満たされたときに終了する場合である。その条件は、要するに「販売元がサポートを打ち切る」の一言で済むこともある。

もっとも、目新しい話ではない。ここ数年、ゲームの所有権は利用ライセンスに押され、後退する一方だったからだ。大ざっぱにいえば、物理ディスクに入っていないもの――とりわけオンラインマルチプレイやDLC――には、ずっと前からこのライセンスの仕組みが適用されている。だからこそ、どのパブリッシャーも、採算が取れなくなったゲームのサーバーを停止できるわけだ。プレイヤーが所有するディスクの利用を妨げるわけではなく、理屈のうえではシングルプレイは引き続き遊べる。しかしパブリッシャーは、付随するオンラインライセンスがなければ、シングルプレイも面白みがなくなるように仕向けることが多い。具体例が欲しい? 私は最近、Amazonでゴルフゲーム『PGA 2K23』を二束三文で買った。定価を払うほど興味があるわけではないし、大会の情報が最新かどうかもあまり気にしないからだ(中古市場について先ほど書いたことを思い出してほしい)。ところが、なんとシングルプレイにもネット接続が必要で、ゲーム内には2027年1月1日でオンラインサポートが終了するとの告知があり、もっと新しいバージョンを買うよう勧めてくる……。困るのは、接続がなければキャリアモードも使えないことだ。私が所有するご立派なディスクでできるのは、いくつかのコースを回ることだけになる。成長要素もなく、使えるのは初心者用の装備だけで、ランキングもない! デジタル化が可能にした計画的陳腐化の、実に見事な例である。

もちろん、使用しているスポーツ関連ライセンスの期限切れという問題を指摘する人もいるだろう。それがサポート終了やライセンス対象のゲーム要素の削除につながる理由の一部である可能性は高い。それでも、この例は利用ライセンスに支配された世界での我々の未来をよく表しているし、明るい未来とはとてもいえない! 利用規約(そう、あなたが読んでいない、あの規約だ)には、さまざまな理由でライセンス利用者のアクセス権を取り消せると、どれにも書かれている。そして消費者はその規約に同意しているのだから、実際に適用されても文句はいえない。そもそも、ゲームを遊ぶことは憲法で保障された権利ではないのだ! とはいえ、全面的なデジタル化が迫るなか、今後の行き過ぎに法律が歯止めをかけてくれる可能性はある。先に述べたとおり、欧州委員会は「Stop Killing Games」の取り組みに直ちに対応したわけではないが、この問題を検討の俎上に載せるとは約束している43。カリフォルニア州では、「Protect Our Games Act」法案44により、2028年にいくつかの新しいルールが導入される可能性がある。なかでも、サーバー停止前の事前告知を法的に義務付けることや、サポート終了後もゲームをオフラインで利用できるようにする義務などが含まれる。まずは一歩だ……。

ゲームの保存に対するリスク

ゲーム業界は、あまり懐古趣味を持ち合わせていない。金になる場合は別だが。制作資料やお蔵入りになった企画、ベータ版を保存しているスタジオは珍しいし、業界の大手が自らの過去を持ち出すのも、ひと稼ぎできそうなときだけだ。だがプレイヤーのなかには、ゲームの黎明期から「アーカイブ」を残そうと奔走してきた人たちがいる。純粋に遊ぶためでもあるし(エミュレーション、といえば分かるだろうか?)、まだ比較的若い分野でありながら、現代文化で極めて重要な位置を占めるゲームの文化的価値を守るためでもある。だが、コピーガードで保護されたダウンロード版ゲームを、どうすれば保存できるのだろうか?

というのも、昔のゲームの大半は今では「ダンプ」されている――元の記録媒体からデータが吸い出されている――ものの、それが可能になったのは、発売から何年もたってからという場合が多い。プロテクトを突破する技術が、保護技術に追い付いて追い越すまで待つ必要があったのだ。その間、解析対象となる媒体を物理的に保管しておくことが、ゲームそのものを保存するための不可欠な前提だった。では、保存のための物理媒体が最初から存在しないゲームはどうすればいい? Steamのゲームをハードディスクに入れ、ゲームカートリッジのように使えるよう工夫した、知恵の回る人はいる45。ただし、これはゲームを外付けハードディスクにコピーし、オフラインで起動できるSteamの機能があってこそだ。しかも、この仕組み全体は「所有者」のSteamアカウントの認証に依存している。Steamが消滅すれば――いつかは必ずその日が来る――ゲームは使えなくなり、失われてしまう……。

そうなると、残るのは海賊版しかない。だが、これも万能薬ではない。海賊版を作る側は文化保護の後援者ではないし、小規模なインディーゲームには興味を示さない……。この問題は一時ちょっとした話題になり、フランスの左派連中による、おなじみの政治利用まであった46。だが、今ではまた忘却の彼方に追いやられたようだ。ゲーム保存団体MO5.comがついにビデオゲーム博物館を実現させ47、業界の大半の企業よりも自社の歴史を大切にしてきた任天堂が、ニンテンドーミュージアムを開館したというのに48。なんとも皮肉な話である。

ボブの結論

あくまでボブ個人の見解です!

ノストラダムスを気取るつもりはないが、今回のデジタル化の流れは最後まで進み、おそらくは今のような形のゲーム機そのものが姿を消すところまで行くのではないかと思う。前回の強引な試みは、15年以上前のPSP Goだった。しかし、あれはいくつもの理由で時期尚早だった。ゲームのダウンロードに伴う技術的な難しさ、ゲーム機の販売を専門店の流通網に頼っていたこと、当時はデジタル化に何のうまみも感じていなかった消費者の抵抗感……。今では状況が変わった。光回線は広く普及し――少なくとも、ゲーム業界が重視する唯一の市場である米国、欧州、日本、中国では――ゲーム専門店はネット通販に大きく客を奪われた。そして、SpotifyやNetflix、各種クラウドサービスが日常生活の一部になった今、消費者はデジタル配信のコンテンツを当たり前のように利用している。そもそも、Sonyが再挑戦し、Microsoftもそれに続こうとし、任天堂でさえ「キーカード」48でデジタル化への道を残しているのなら――これについては、偽善と呼ぶべきか、双方の顔を立てようとしていると見るべきか、判断に迷う――それは市場が「機は熟した」といえる状態になったからにほかならない。ここ数年の販売実績も、それを裏付けている。先ほど述べたとおり、プレイヤーは財布で意思表示をしたのだ。

だが、プレイヤーの大多数は結局のところ、真の「g@m3rz」の願いに反する選択をする、頭を使わない消費者の群れなのだろうか? 私に言わせれば、安直で、ちょっと偉そうな決め付けだ(私の意見を聞きたいのだろう? だからこれを読んでいるわけだし!)。娯楽産業の企業にとって、デジタル化のうまみは明白だ。しかし、プレイヤー側にもいくつか利点がある。バグの修正、すぐに手に入ること、遊ぶ際の手軽さ(ここ2~3年は主にPCで遊んでいるせいか、Switch 2のゲームカードを交換するために立ち上がらなければならないと、自分でも驚くほど面倒くさがってしまう!)。分かりやすいものだけでも、これだけある。それに、デジタル化によってリージョンロックもなくなった。古参のゲーム好きとして断言するが、数年……いや、数十年前の熱心なプレイヤーにとって、これは本当に厄介な問題だった! 結局のところ問われるのは、こうした利点が、先ほど挙げたプレイヤーにとってのデジタル化の欠点を上回るかどうかだ。

消費者の権利? 正直、普段遊ぶぶんには、所有者であることと利用ライセンスを持っていることに、どれほど違いがあるだろう? 残るのは、中古での売買だ……。ぶっちゃけ、中古で投げ売りされるゲームは、だいたい同じ時期にオンラインストアでも安売りされている。バンドル販売やSteamのセールには事欠かない。そして新作は? フランスのゲーム専門店Micromaniaのような店に行けば、発売から間もない中古ゲームが、新品とほとんど変わらない値段で売られているのが分かる。新品がキャンペーンで値下げされていると、中古のほうが高いことさえある。なんともおかしな話だ! あとは、古いゲームを売って新しいゲームの購入資金にするヘビーユーザーの場合だが、買い取り価格は鼻で笑いたくなるほど安いことが多いので、そういうプレイヤーはとっくにGame Passのようなサブスクリプションに移っている。

ゲーム文化の保存と、サポート終了後も遊べるかどうかについては? この二つはつながっている。遊べなくなったゲームを保存しても意味がないからだ。動くNES(海外版ファミコン)も、現代の画面につなぐためのアダプターもないのに、NESのカートリッジを何十本も持っていて何になる? 何にもならない! レトロゲーム市場の投機に加担するのでなければ、だが。私には、あの市場は立派な投機バブルの様相を呈しているように見える50! 正直、記録媒体はいずれ使えなくなるし、当時の環境で遊ぶためのブラウン管テレビだって、そのうち足りなくなる。ゲームの保存に貢献してきたのは、物理媒体の保管よりも、海賊版コピーとエミュレーションのほうだ。そして、デジタル化したところで海賊版を作る連中は止まらない。そもそも、元の媒体から解放され、データとして存在することは、エミュレーションのDNAそのものではないか! では、オンラインゲームは? まず思い出してほしい。ゲームのデジタル化は、オンラインサービスの仕組みを何ひとつ変えない。プレイヤーがサービスを所有していたことなど一度もないし、パブリッシャーには昔から、オンラインサービスを一時停止したり終了したりする権利があった。それでも、プレイヤーのコミュニティは、お気に入りのゲームを存続させるために動いてきた51! 誰もゲームをコピーせず、サーバーも救わなかったら? 第一に、そうなるのなら、そのゲームには保存する必要がないのかもしれない。第二に、ボブが保証しよう。ガレージの奥の段ボール箱で10年間湿気を吸っていた現物だって、プログラムを無事に保存できてはいない!

例を持ち出して論じるのは、論証としてはあまり厳密ではないが、ここでボブ自身の話をしよう。私はAtari 2600からSwitch 2まで、箱・説明書付きのゲームを1,000本あまり持っている。子ども時代に(十分に!)甘やかしてもらえなかった心の傷を埋めるため、フリーマーケットやeBayで探し出した数本を除けば、すべて長いゲーム人生のなかで手に入れたものだ。店頭に並んでいた当時に、新品、中古、在庫処分品として買い、楽しみ、ある日ていねいに箱を閉じた。その箱が積み重なり、今ではコレクションと呼べるものになっている。そして私は何年も、人生の節目に引っ越すたび、このコレクションを運び続けてきた。必要な段ボール箱の数は、そのたびに増える。この夏もまた引っ越したのだが、昔のゲームが入った箱を抱えて階段で腰を痛めつけていたとき、この状況のばかばかしさに、はっと気付いた! 何年も、この1,000本あまりのゲームを保管し、運び、また保管している。遊ぶためのゲーム機も、コントローラーも、その他もろもろも一緒に。だが、いったん箱を閉じてから、実際にゲームを取り出したことが何回あっただろう? 私は毎年、いくつかの名作を遊び直す。とりわけNESの『スーパーマリオブラザーズ』は、もう40年近く、しょっちゅう起動している。NES版、『Duck Hunt』との2作入りNES版、ファミコン版、ゲームボーイカラーの『スーパーマリオブラザーズデラックス』、ゲームボーイアドバンスの海外版「NES Classics」と国内版「ファミコンミニ」を持っている。各機種の『スーパーマリオコレクション』や、SwitchのNESアプリで遊べるエミュレーション版を数えなくても、これだけある……。それなのに、オリジナルのカートリッジも、それ以外のどのカートリッジも、少なくとも20年は使っていない。遊ぶときは必ずエミュレーションだ。ほかの名作を遊び直すときも、すべて同じ。だから、確かに私は膨大な数のカートリッジを所有している。しかし結局のところ、物理媒体も、それによって得られる法的な立場も、今の私には何の役にも立っていない。そして、そのゲームが現役だった当時にも、利用ライセンスと比べて何か余分なものを与えてくれていたわけではないのだ……。

ボブ自身、この結論には驚いている。だが、おそらく2026年のゲーム業界を象徴する話題になるであろうこの問題について、情報を集め、何よりじっくり考えたことで(とはいえ、『GTA VI』の発売時にサーバーが落ちて暴動が起きるのを、そわそわしながら期待しているのだが!)、デジタル化に対する私の考えは変わった。あれほど断固とした立場を取っていたというのに。そこで思い出したのが、初期のWebにあふれていたFlashゲームだ。Adobeが2017年に、2020年でFlashを終了すると発表したとき、このポップカルチャーの「遺産」は取り返しのつかない形で失われるといわれ、ネット上のゲームの行く末を心配する声が上がった。ところがその後、Flashゲームを文化遺産として保存するプロジェクトが現れ、今ではFlashpoint Archive52のようなサイトが、消滅の淵から救い出した20万本ものFlash「ゲーム」を、興味のある人なら誰でも遊べるよう公開している……。

要するに、今や後戻りできないように見えるデジタル化も、結局のところ、実際にはこれといった影響をもたらさないのではないかと思う。それどころか、この15年ほど、我々の小さな世界に歓迎すべき新風を吹き込んでくれたではないか53! 忘れてはいけない。ゲームは何より、たわいもない娯楽であって、それ以上に大げさなものにしてはいけない。物理媒体があろうとなかろうと、ボブはこれからも遊び続ける。そして、ゲームのために何かしたいのなら、問題はパッケージ版とダウンロード版のどちらを選ぶかではない。安泰な地位にあぐらをかいたシリーズの、手あかの付いた続編ではなく、革新的で野心的なゲームを選ぶことなのだ。

ボブ・デュプヌー

  1. https://nintendo.fandom.com/wiki/Radar_Scope
  2. https://www.youtube.com/watch?v=y2pzuoA6rSY
  3. https://gamecritx.com/blog/the-evolution-of-steam-from-valves-internal-tool-to-the-global-pc-gaming-standard
  4. https://www.pcmag.com/articles/7-xbox-innovations-that-changed-console-gaming-forever
  5. https://www.numerama.com/pop-culture/18606-la-psp-go-disparait-dans-l-indifference-generale.html
  6. https://www.dualshockers.com/sonys-andrew-house-talks-about-the-shift-from-physical-to-digital-download-games-on-ps4/
  7. https://www.rockstargames.com/newswire/article/5171972o3ak5oa/pre-order-grand-theft-auto-vi-on-june-25
  8. https://blog.fr.playstation.com/2026/07/01/la-production-de-disques-physiques-se-termine-en-janvier-2028-pour-les-nouveaux-jeux-prevus-sur-consoles-playstation/
  9. https://www.univers-simu.com/news/xbox-disc-to-digital-jeux-physiques-numeriques-127065/
  10. https://www.windowscentral.com/gaming/xbox/xbox-ceo-asha-sharma-speaks-at-internal-town-hall-we-must-strengthen-for-cxbox-series-x-s-xbox-helix-and-xbox-game-pass
  11. https://www.campus-des-ecoles.fr/design-digital/gaming-marche-jeu-video-chiffres/
  12. https://www.culture.gouv.fr/de/mc/content/download/322468/file/Chiffres-cles-2022-Jeu%20video-Fiche.pdf?version=1
  13. https://www.univers-simu.com/news/jeu-video-physique-france-dematerialise-ventes-126036/
  14. https://citizens-initiative.europa.eu/stop-destroying-videogames-commissions-reply-european-citizens-initiative_fr
  15. https://afjv.com/chiffres/030718_chiffres05.htm
  16. https://afjv.com/news/6262_les-changements-generes-par-la-dematerialisation.htm
  17. https://note.com/kessan_yomijun/n/n4b3580bb9242?hl=en
  18. https://www.fitchratings.com/research/corporate-finance/fitch-affirms-electronic-arts-at-a-outlook-stable-23-10-2024
  19. https://www.lesechos.fr/2017/02/ubisoft-ameliore-la-rentabilite-de-ses-jeux-162151
  20. https://ir.take2games.com/static-files/de7eeb58-9a3d-44c4-8407-9b0453cae8a4
  21. https://fr.wikipedia.org/wiki/Vagues_de_licenciements_collectifs_dans_l%27industrie_du_jeu_vid%C3%A9o_(2022-)
  22. https://afjv.com/news/12060_marche-mondial-jeux-video-chiffre-affaires-2026.htm
  23. https://bigmedia.bpifrance.fr/nos-actualites/jeux-video-2025-les-faits-et-chiffres-qui-bousculent-lindustrie
  24. https://www.bobdupneu.fr/2011/08/12/du-zonage-de-la-3ds-et-de-ses-consequences/
  25. https://www.dreyfus.fr/lexique/lepuisement-des-droits/
  26. https://infocuria.curia.europa.eu/tabs/document?source=document&text=&docid=221807
  27. https://infocuria.curia.europa.eu/tabs/document?source=document&text=&docid=221807
  28. https://www.gamesindustry.biz/the-new-ubisoft-and-getting-gamers-comfortable-with-not-owning-their-games
  29. https://www.rom-game.fr/news/5726-jeu+gold.html
  30. https://level-1.fr/pourquoi-y-a-t-il-des-patchs-day-one-sur-certains-jeux/
  31. https://www.rockstarmag.fr/gta-san-andreas-dan-houser-revient-sur-laffaire-du-hot-coffee-et-cible-le-gouvernement-americain-de-lepoque/
  32. https://tiredoldhack.com/2015/02/04/the-corrupt-world-of-video-game-reviews-part-1/
  33. https://store.steampowered.com/steam_refunds/?l=french
  34. https://www.hellocarbo.com/blog/communaute/greenwashing-exemples/
  35. https://www.newgamenetwork.com/news/1087/ubisoft-going-green/
  36. https://culture-ge.fr/fiches/l-empreinte-ecologique-du-numerique-le-poids-du-virtuel
  37. https://www.unep.org/news-and-stories/story/video-game-industry-levels-climate-change
  38. https://www.gamekult.com/actualite/selon-une-etude-les-jeux-physiques-sont-100-fois-plus-polluants-que-les-versions-numeriques-3050866628.html
  39. https://www.ademe.fr/presse/communique-national/streaming-vs-cd-ou-dvd-liseuse-vs-livre-papier-quels-sont-les-impacts-environnementaux-de-la-digitalisation-des-services-culturels/
  40. https://www.bobdupneu.fr/2025/03/16/2024-annee-de-politisation-du-jeu-video/
  41. https://www.legifrance.gouv.fr/download/pdf?id=tIvlngK1-pPYKGFzbZJvgnB0La5rYk6ys5dm_FwTPZs=
  42. https://pcs-avocat.com/actualites/2026-08-jeux-video-dematerialise-droit-propriete/
  43. https://www.fluxdigitalpolicy.com/fluxexplains/european-commission-statement-on-stop-killing-games
  44. https://www.ashurstperkinscoie.com/en/insights/california-moves-to-regulate-end-of-life-requirements-for-digital-games/
  45. https://www.reddit.com/r/pcmasterrace/comments/1ux13ui/steam_game_cartridges/
  46. https://www.journaldugeek.com/2026/10/07/la-france-insoumise-veut-sauver-le-jeu-video/
  47. https://museedujeuvideo.org/fr
  48. https://museum.nintendo.com/index.html
  49. https://chocobonplan.com/bon-a-savoir/gamekey-card-nintendo
  50. https://polkastarter.com/blog/most-expensive-video-games-ever-sold
  51. https://gamerant.com/dead-games-kept-alive-by-community-servers-fans/
  52. https://flashpointarchive.org/
  53. https://www.bobdupneu.fr/2011/07/02/la-dematerialisation-des-jeux-une-chance-pour-la-creativite/

コメント

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。